飴色蝶 *Ⅰ*

何も知らない

私が知っているのは
外見だけの貴方で
内面の貴方の事

・・・何も知らない。

何も・・・・・・

あの場所で逢えたことが
奇跡なんだと大袈裟に
言ってみたりする前に

どうしてラブホテル街に
庵先輩が居たのか

そのことの方を
もっと深く考える
べきだった。

自分の思いばかりを

彼に押し付けて
  
私は、本当の彼の事を
知ろうともせずにいた。

私は会社の同僚と
近くの洋食屋さんで
お昼ご飯を食べていた。
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