飴色蝶 *Ⅰ*
「スミレ」

その声に、振り返った私
に麻子は言う。

「あの時はごめんね
 本当は、私もずっと
 イオリの事が
 好きだったの

 だけど
 スミレに言えなくて
 ・・・・・・」

イオリ・・・

貴女は、彼の事を

そう呼ぶのね

「私、イオリとは彼が
 卒業した後も
 付き合っていたの
 
 ううん
 付き合っていたって
 言うのは間違えね
 
 私が、勝手に彼に
 付きまとっていただけ
 ・・・・・・
    
 何度抱かれても決して
 愛してるとは言って
 くれない
 
 そんなイオリに
 疲れた私は、彼の元
 を去った」
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