飴色蝶 *Ⅰ*
会長の事を『あんな奴』
という、庵の言葉に
驚く朱莉。

「答えろよ」

「お金が無い事の
 惨めさに
 耐えられなかったから
 ・・・かなぁ」

そう言って

庵を見つめた

彼女の瞳の奥は

この世に絶望していた。

庵は、朱莉を抱き寄せて
口づけを交わした。
   
彼女は嫌がること無く

彼を受け入れた。
   
何度も何度も

唇が痛くなる程の

口づけを交わす。

 
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