飴色蝶 *Ⅰ*
高級マンションの最上階
の部屋とは思えない程に
何も無い、殺風景な朱莉
の部屋に二人きり

見つめる庵の綺麗な瞳に
朱莉が映る。

彼の頬に手を翳して
彼女は、甘い声で囁く。

「本当の私を見て
 
 貴方に見て欲しい」
  
庵は、彼女を
ベッドに押し倒した。

そして、彼女の
黒いシャツを破ると
左脇腹に刺青が見えた。
   
イオリは刺青に手を触れ
彼女の体がうつ伏せに
なるように誘導する。
   
うつ伏せになった朱莉の
左側の背中から脇腹に
かけて、緋牡丹の花が
咲き乱れ、二頭の蝶々が
飛んでいた。


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