飴色蝶 *Ⅰ*
「そうでもないよ
 ガキの頃は女みたいな
 名前だって
 よく、からかわれたし 
 
 妹が学校で俺の名前を
 連呼するもんだから

 遊びに来たダチが
 お姉さんだと思って
 ましたとか

 言われた事もあるよ」

「そうなんだ、確かに
 女の子に、イオリって
 名前、可愛いね
 
 今度、新しくお店に
 入る子の源氏名に
 どうかなぁ?」

「言ってろよ」

二人で笑い合う。

「最近は、妹さんとは
 逢ってるの?」

庵の表情が、曇って行く
のが分かった朱莉は

妹の事を聞いてしまった
事を後悔した。
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