飴色蝶 *Ⅰ*
雪乃がパパと呼んでいる
人が、堅気の人では無い
事を・・・

私も更紗も知っていた。
   
それも会長と呼ばれる
組の最高責任者だという
事も。

その人には、たくさんの
愛人が居て、雪乃は
その中のひとりだと言う
  
もともと雪乃は専門学校
の学費を稼ぐ為に時間給
のいい居酒屋や、BAR
で、バイトをしていた。
   
夜遅くまで働いて学校へ
通って、私と一緒に卒業
をした。

やっとこれから好きな事
を仕事にできるって時に

そのBARへ、お忍びで
愛人と飲みに来ていた
彼に気に入られてしまい
うまい言葉に乗せられて
愛人になってしまった。
 
「愛人に成り下がった
 のは、この私」
< 83 / 488 >

この作品をシェア

pagetop