飴色蝶 *Ⅰ*
彼は、いつも三年の
綺麗な取り巻きの人達に
囲まれいて、後輩の私が
出る幕など無かった。
 
そんな彼が今

私の隣に座っている。

学校を休んだ、庵先輩は
私服姿で現れ

いつもと違う雰囲気に
私は見惚れていた。

私の心臓はドキドキと
音を立てて
苦しい程に痛む。

更紗が何か話せばと言う
素振りを、向こう側で
しているが

私は緊張で
何も言えずにいた。

半端ない存在感に

かける言葉が

見当たらない。
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