空は広いから
という感じでわたしの1日は始まる。このやり取りがなかった日はほとんどない。
もがみをさいじょうと間違え、ひかりをひかると間違える。
(わたしの名前は覚えづらいのか?)
「いやー今日もお疲れだね、光」
「ほんっと…あいつの頭どうなってんのかね」
「きっと空っぽだね」
「あ、わたしもそう思う」
授業も始まり、気付けば昼だった。
「だはーやっと終わったよ」
「やっとって…光ほとんど寝てるか外見てるかでしょ」
「はは、ばれた?」
「ばればれ」
わたしは真面目に授業を受けたことがない。なんか暇だからだ。でもちゃんとノートは書いてる。そこらへんはちゃんとしてる。
ばしっ
「だっ」
いったーと言いつつ後ろを見ると悠樹がいた。どうやらパンを買ってきてくれたらしい。
…まあ正確に言うと買ってきてと頼んだんだが。