空は広いから
「勉強以外かぁ」
「運動ならなんとかなるんじゃない?」
「…男子に勝てと?」
「光ならいけるでしょうよ」
「すみません、それどういう意味ですか」
結局その後も葵のスパルタ勉強は続いたが、頭に入った気はしない。むしろ今までかろうじて覚えていたことを忘れたんじゃないかと思うぐらいだ。
「お、何してんの?お前が勉強してるとか珍しいな」
「あんたのせいだろが!!」
「いや、勝負とか言い出したのお前だろ」
…確かに…!
はっ!っと気付いた時には、ばかじゃねーの?と見てくる悠樹がいた。
すごく見下されている。
まぁ確かに順位は下なんだけどね。
「なんだったら俺が教えてやろうか?」
「は!?なんで対決してる相手に教えられないといけないんだよ!」
「だって、困ってるだろ?」
なんだか少し恥ずかしそうになりながら悠樹が言っていた。
けどわたしはそんな悠樹に気付くことはなく、
「いや、わたし敵の情けは受けないから。自分でなんとかするから」
昔から誰にも頼らず生きてきた癖が今出てしまった。