田舎姫と都会王子
私がそう言うと、要は驚いたらしく目を開いた。


「何だよいきなり…家族とか。」


「要の事が知りたいと思ったっちゃ。」


「俺には、1人兄貴がいる。それだけだ。」


「それだけ?お母さんとかはどんな人なの?」


私がそう聞くと、要は眉を寄せた。


「おふくろは………「ヤッパリ良いよ言わなくて!」


私は要の言葉を遮った。


要は、とても寂しい顔をしている。


そんな顔を見ていられなかった。
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