田舎姫と都会王子
「もう良いから…」


私がそう言うと、要は私の頭に手を乗せた。


「何でお前が泣きそうな顔してるんだよ?」


「だって………」


要の目が悲しみの色で染まっている。


その目を見てるだけでこっちまで悲しくなってしまう。


「泣くのか?」


要はそう言ってフッと笑った。

「泣かないっちゃ!」


「つまんねえな。」


要は、私の頭から手を離しコーヒーを飲んだ。


「昔、約束したんちゃ。」
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