田舎姫と都会王子
よく見ると庵は耳まで赤くなっている。


「庵、照れているのか?」


「嬉しいんだよ。くるみと両思いで。」


庵はそう言うと、私を離した。

「庵?」


「ごめん。これ以上一緒に居るとヤバいかも……」


「何が?」


「キスしたくなる。」


庵の言葉に今度は私が赤くなった。


「良いぞ。しても。」


私がそう言うと庵は驚いた顔をした。
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