田舎姫と都会王子
「たまに徹が遊びに来たりしたけどな。」


「苗字は何で違うんっちゃ?」

父親が一緒なら苗字が一緒なはずだ。


「兄貴の母親が俺を同じ苗字にするのを酷く拒んだんだ。だから俺の苗字は、母親の苗字なんだ。」


要は、そこまで言うとフウと息をついた。


「こんなところか。って、どうした?小梅。」


要の話が終わると涙が次から次へと流れてきた。
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