田舎姫と都会王子
要の手を握っている父の手をよく見ると血管が浮き出ている。


「お父さん!何してるっちゃ!」


「何って小梅、握手だよ。」


どう見ても力一杯に要の手を握っている。

「もう良いっちゃ!」


無理やり父の手を要の手から離し要の手を見ると父の手の跡がくっきり残っていた。

「要、何で黙ってたんだっちゃ?こんなに手を赤くして…」


「小梅との付き合いを認めてもらうためには我慢が必要だろ?」


私達の会話を聞いて父の眉がピクッと動いた。
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