田舎姫と都会王子
「好きな奴と2人っきりなんだ。我慢するからせめて…」


「せめて?」


「寝る時手繋ぎてえ。」


要が小さな子供みたいに可愛いことを言い、私は吹き出してしまった。


「なっ!小梅!」


顔をタコのようにして怒り出す要の顔を見て私は笑いが止まらなくなり、要はムスッとした顔で私を見てきた。


「あ~苦しかったっちゃ。」


「笑いやがって……」


「ごめんっちゃ。要君、お手て繋いで寝ましょうね~。」


子供をあやす様に要の頭に手を乗っけると、腕を掴まれ要の腕の中に引き込まれた。
< 257 / 286 >

この作品をシェア

pagetop