田舎姫と都会王子
最初は小梅も困ったようで俺の名前を呼んでいたが、寝たのかしばらくすると小梅はスースーと静かに寝息をたて始めた。


「寝たのか?」


小梅の顔を見ると気持ちよさそうにスヤスヤ寝ている。


(無防備すぎるだろ…)


確かに俺がこうして寝ようと言ったが……

腕の中に愛しい奴がいてスヤスヤ寝れるはずが無い。


小梅の全てが欲しい。


俺のものにしたい。


そんな気持ちがこみ上げてくる。


「これじゃあ生殺しだな。」


自分のやった事に後悔しつつ俺はため息をしながら笑った。


この夜寝れなかったのは言うまでもない。
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