田舎姫と都会王子
ついに、壁まで追い込まれるとバンッと私の顔の横に手を置いて耳元に近づいてきた。


「俺の足を思いっ切り踏みやがったよな?」


甘くかすれた声でビクッと体が揺れたが、自分の顔が青くなっていることに気づいた。


「忘れた!」


(こんな男に負けてたまるか!)


強く睨みつけるが、要は全然動じない。
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