田舎姫と都会王子
「怒りで頭がどうにかなりそうだ!!」


殴られている、不良男は気絶寸前まできている。


(もう止めて!!十分だから!)

声を出したいが声が出ない。


「要!それくらいにしとけ!」

「徹。」


遠くから声がしたかと思うと、要は不良男から手を離した。


「これ以上したら、ヤバいって。それより、小梅ちゃんをどうにかしないと!」


徹の言葉に要は、ハッとして私に近づいて来た。


「小梅!大丈夫か?」


要はそう言って、私に自分のブレザーを着せてくれたが、薬が効いていてお礼が言えない。


「小梅?」


私の異変に気づき、要は心配そうに私を見てくる。


「薬を飲まされたみたいだね。とりあえず此処から離れた方が良いな。暴れ過ぎたから、そのうち警察がくる。」
< 66 / 286 >

この作品をシェア

pagetop