田舎姫と都会王子
「小梅、こいつには気をつけろ。女好きで手がはやい。」


そう言われ、徹の方を見るがそんな風には見えない。


「それって要の方じゃないの?」


私がそう言うと、要は眉を寄せた。


「俺は、そんなことしねえよ。勝手に女どもが近づいてくるだけだ。」


「そうだったんだ。」


私はそれを聞くとホッとした。

(何でホッとするの?)


首を傾げていると、要がポンッと手を頭に乗せてきた。
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