前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―
「うっし。じゃあ、俺はこれから授業に行くから、昼休みになったら即俺の教室に来いよ。いいな?」
「え、でも俺……昼休みは鈴理先輩」
「待っているぜ。遅れたら扱くからな」
言うや否や、さっさと立ち上がって駆け足で教室に向かい始める二階堂先輩。
なんてこったい。
俺を此処まで拉致った上に、言いたいことだけ言って、オトモダチになったんだから俺の言うこと聞けムードを醸し出した挙句、昼休みに一緒にメシを食べる羽目になるなんて。
しかも授業に出るんっすんね。
俺、あんなに授業に出たいと言って、結局はサボらせる方向に持っていったのに。
俺だって今から授業に出れば、遅刻扱いでなんとかなるだろうけど、見てみろこの格好。体操着のままだぞ。
いいか、着替えるには教室が必要で。
着替える場所は教室番号、奇数が男、偶数が女と振り分けられているんだけど……もう授業中。着替えられないぞ。着替えは教室の中だし。
あーあ、こそこそと着替えを取りに戻るのも、非常に気まずい。
「どうしろってんだよ。これからの時間っ、ああもうっ」
ヒトコトに尽きる。
さすがは鈴理先輩の幼馴染み、なんて身勝手な人なんだ!