前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―
13. サバイバル翌日(せ、先輩のお馬鹿!)
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怒涛の夜から一夜明けた翌日のこと。
俺、豊福空はどうにかこうにか先輩とのサバイバルに勝利(だと思う、多分)。
睡眠という生理的欲求に負けた先輩と一緒に揃って健全におやすみなさいをし、スンバラシイ朝を迎えた。正しくはスンバラシイ昼を迎えた。
四時半に寝たことが仇になったんだろうな。
俺達は朝を迎えても全然目が覚めなかった。
召使の晶子さんが俺達を起こしにノックしても、特に俺は昨日に体力を使い果たしたのかなかなか目が覚めなかったわけなんだけど……。
ええい、ここからがすっとこどっこい!
先に目を覚ました先輩が何を思ったのかコンチクショウ、サバイバル延長戦を申し出てきやがったんですよ!
ははっ、びっくりしたね。
深い眠りについていた俺がグースカグースカ寝ていたら体に何か這うような感触がして。
くすぐったい正体も分からず、ぼんやり意識を浮上させようとしたら、口内に何かぬめっとしたものが入ってきて。
これまたなんだろうと思って薄っすら目を開けたら、朝から先輩がドアップじゃあーりませんか。
それだけだって混乱するのに、口内に蠢く慣れた感触に気付いちまってもっと混乱。
目覚めのディープキスとやらで俺は大変な目に遭った。
抵抗しようにも、昨日の無理が祟ったのか体は筋肉痛。
腕なんて暴れる先輩をずーっと拘束していたから重いのなんのって。
ジタバタする俺を押さえ込んで何度もキスしてくる先輩は、完全に俺が起きたことを確かめて解放。
美人顔でヤーらしく口端を舌で拭いながら「おはよう」と挨拶してきた。
「な、何するんですか。寝込みを襲うなんて」
肩で息をする俺に先輩はニッコリ。
「眠り姫は王子のキスで目覚めるというだろ? さあ、目覚めのキス後は昨日の続きだ! お互い睡眠も取ったしな、元気ハツラツするぞ!」
「え゛? ちょ、ちちょぉおおっ、先輩ぃいいい! うわぁあっ、服返して下さいよ!」