前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―
前略、天国で不況の波があるかどうか分かんないけど、一応抗っているであろう父さん、母さん。
あなた方の息子、豊福空には今、好きな人がいます。
すっげぇ困った人で、攻め攻めの押せ押せ、雄々しい性格の男ポジション憧れお嬢様なんですが、彼女のおかげで非常に困った学園生活を送り始めてしまったんですが、でも押されるまま押されて結局好きになってしまいました。
女ポジションに立たされたり、なんだったり、困ることも多々あります。
「チッ。こうやって不意打ちとは生意気な。空、触れるキスだけじゃ足りないぞ」
「あ、ちょ、襲おうとする前にタンマっす。お返事を下さい」
だけど彼女のこと、どーしょうもなく好きになった重症な俺がいます。
最近の悩みは何処まで彼女の我が儘を聞いてあげようかな、だったりです。
いやセックスはまだまだまだまだまだエンドレス。
だけど何かしら、彼女の笑顔が見たい俺がいるので自分なりにできることを探したいと思います。
「返事? 決まっているではないか。聞くまでもないだろう? だって空はあたしのもので、あたしは空のものなのだから」
「え、先輩。俺にくれるんっすか?」
「ああ、返品は不可だぞ」
父さん、母さん。
肉食お嬢様と草食貧乏人の本当の恋は此処から、始まりそうです。
この先、何があるか分からないけれど、彼女と一緒だったらどうにかなりますよね? 俺はそう強く信じたいです。
俺自身のことで何か遭ったら、きっと彼女が乗り越える契機をくれるだろうし、俺自身も乗り越えられる契機を与えてあげたい。
そういう関係になれるよう俺、頑張ります。
大丈夫、本当に何か遭ったらこっちの父さんや母さんに相談しますから。
また何か遭ったら俺の報告を聞いてやって下さい。
それでは、お元気で。
草々、あなた方の息子・豊福空。
END