嫌いなもんは嫌い!好きなもんは好き!
ねぇ、神様?
「おっはよん♪」
「あっ…おはようございます!」
わたしは平然を装って、紫穂に挨拶をした。
朝なのに、いきなりあんなこと言われて…
本当に驚いた…
だって…
私は…私と彩華は…
実の双子なのだ。
そして、本当は私が彩華で、彩華が愛美なのだ。
5歳のとき、親が離婚することになった。
私、彩華は母と一緒に、愛美は父と行くことになった。
けれど、お互い逆になったんだ。
私は、愛美のふりをした。
愛美も私のふりをした。
それなのに…
愛美は死んだ…
彩華のまま…
私の前からも、
皆の前からも、
いなくなってしまった。
愛美は彩華のまま死んだ。
私はどうすれば良いか迷った。
でも私は愛美のまま生きることに決めた。
愛美と彩華は、半分生きていて、半分死んでいるのだ。