【続】イニシャルはKK
あれからも坂下さんは毎日のようにやって来て、お店でも顔馴染みになってしまった。
私にも友だちのように接してくる。

「いらっしゃいませ」

「いつもの、お願~い」

突然やって来て、一言二言、会話を交わす。

いつも響吾の話。
しかも、個人的な事ばかり。


「桐谷くんのお家って大きいのかな?
お家って葉山の方ね?
東京の家じゃなくて」

「さぁ、どうでしょうか?」

「お兄さんもお医者様なんだよね?
代々お医者様だなんて凄いよねぇ~??」



ねぇ、響吾は会社でそんな話をしているの?
仕事で忙しいはずなのに、坂下さんにそんな話をするの?


モヤモヤは大きくなるばかり…。
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