【続】イニシャルはKK
泣いてる坂下さんを拒めなかった。
「嘘泣きじゃない」って、本当に思えたから。
それに…断った場合の事も、少し頭をよぎったんだ。
食事で済むんだったら…って。

念の為にサインももらった。
「これで歌音を守ってやれる」って単純に思ったんだ。

毎日、歌音を迎えに行く事に、正直 疲れてた。
そんな日々から「やっと解放される」って安心したんだと思う。

でも違ってた。
たとえ食事だけだとしても、あの店には連れて行っちゃいけなかったんだ。

あいつがあんなに楽しみにしてたのに…。
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