【続】イニシャルはKK
すぐに医師の診察が始まった。
一通り終える頃には歌音の意識は随分しっかりしていた。
「おばあちゃんに会ったの。
すっごくキラキラした綺麗な場所で。
おばあちゃんは私を見てびっくりしてた。
『大きくなって、別嬪(べっぴん)さんになったね』って笑ってた。
私ね、ずっとおばあちゃんの側にいる、って言ったんだ。
おばあちゃん、喜んでた。でもね…」
「でも…どうした?」
「お兄ちゃんがね、いたの。
お兄ちゃんが『来ちゃダメ』って怖い顔して。
怒ってるのに泣きそうな顔なんだよ。
『まだ来ちゃダメだ』って…。
そしたら…響吾の声が聞こえたの。
私の名前を…呼んでたの」
「そうだ。呼んでた。
お前が遠くに行かないように、ずっと呼んでた」
「ごめんね…。私のせいで…」
「バカッ!謝るのは俺なんだって!
お前を裏切るような真似をした俺が一番悪いんだ!
俺にはお前しかいないのに…」
「え…、本当…?」
一通り終える頃には歌音の意識は随分しっかりしていた。
「おばあちゃんに会ったの。
すっごくキラキラした綺麗な場所で。
おばあちゃんは私を見てびっくりしてた。
『大きくなって、別嬪(べっぴん)さんになったね』って笑ってた。
私ね、ずっとおばあちゃんの側にいる、って言ったんだ。
おばあちゃん、喜んでた。でもね…」
「でも…どうした?」
「お兄ちゃんがね、いたの。
お兄ちゃんが『来ちゃダメ』って怖い顔して。
怒ってるのに泣きそうな顔なんだよ。
『まだ来ちゃダメだ』って…。
そしたら…響吾の声が聞こえたの。
私の名前を…呼んでたの」
「そうだ。呼んでた。
お前が遠くに行かないように、ずっと呼んでた」
「ごめんね…。私のせいで…」
「バカッ!謝るのは俺なんだって!
お前を裏切るような真似をした俺が一番悪いんだ!
俺にはお前しかいないのに…」
「え…、本当…?」