【続】イニシャルはKK
「全てはうちの娘が悪いんでしょう。
ですが、娘も苦しんでいるんです。
あなたが事故に遭った後――社内でいい加減な噂が流れましてね。
娘があなたを突き飛ばして車に轢かれたと、まことしやかにデマが流れて…。
周りの目が怖くて、あの子は引きこもってしまいましたよ」
私は息を呑んだ。
坂下さんが引きこもり?
そんな…
「一人娘で随分と甘やかせてしまった。
ワガママで気も強い。
でも…私には大事な娘なんです。
親バカと言われても、やはり娘の幸せを願わずにはいられない。
桐谷君は将来有望な社員だ。
彼を…娘に譲ってやってはいただけないだろうか」
ですが、娘も苦しんでいるんです。
あなたが事故に遭った後――社内でいい加減な噂が流れましてね。
娘があなたを突き飛ばして車に轢かれたと、まことしやかにデマが流れて…。
周りの目が怖くて、あの子は引きこもってしまいましたよ」
私は息を呑んだ。
坂下さんが引きこもり?
そんな…
「一人娘で随分と甘やかせてしまった。
ワガママで気も強い。
でも…私には大事な娘なんです。
親バカと言われても、やはり娘の幸せを願わずにはいられない。
桐谷君は将来有望な社員だ。
彼を…娘に譲ってやってはいただけないだろうか」