【続】イニシャルはKK
「響吾さんには…どう話したの?」

「坂下さんのお父さんの事は言ってない。
多分、言ったら…響吾は怒っちゃうから。
怒って何しでかすか分からないもん。
会社での響吾の立場が悪くなってしまうでしょ?
私が嫌われたらいいんだ、って単純に思ったの。
だから…ずるいけど、お兄ちゃんを引き合いに出してしまった」

「お兄ちゃん…?」

そう。
お兄ちゃんの事は私と響吾、二人だけの秘密だった。

詳しい事は誰にも言わずに来た。
知ってるのはお兄ちゃんのお母さんだけだ。

私は蒼に全てを話した。
私の初恋――。
お兄ちゃんの話。
< 291 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop