リリと魔法の王国
リリと少年は、すっかり仲良しになっていました。
二人は観覧車のてっぺんまでくると、
「せーのっ!」
空に飛びました。
少年がパッとパラシュートを広げれば、
優雅な空中散歩が楽しめました。
「リリ、君はもとの世界へ帰りたいかい?」
ふいに少年がたずねます。
リリが、時々寂しそうにしているのを、少年は知っていました。
「アンの事が心配なの。
私たち、ずっと一緒だったから。
…でも、きっと大丈夫よね。
アンにはエルザがいるのだから。」
リリは口をつぐみました。