【短編】天国への階段
2003年2月14日 
 あたしは、ブリーダーさんと車に乗っていた。 


 又、予防接種かもしれない…。 

 何も、不安はなかった。 


 「幸せになるのよ。」


 えっ?!どこ行くの? 


 「可愛い。大切にお預かりします」


 ブリーダーのママさんは、あたしをお姉さんに引き渡して帰ってちゃった。 


 お姉さんも、ブリーダーさん同様優しかったけど、ママや兄弟達とも離れ離れになっちゃって…。 


 あたしは、小さなガラスケースに入れられちゃった。 


 あ〜又、眠くなっちゃった。 


 あたしが、寝てると、あたしを人間達が「かわい〜」って、見に来る。 


 そして、抱っこしては去っていく。 


 その晩、あたしは初めてひとりで寝ることになった。 


 不安だったけど、暖かかったし、お腹もいっぱいだったから、よく寝ちゃった…。 


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