Cross〜すれ違う思い〜
有菜はおもむろに
教室のドアを開けた。


…知ってる人は誰もいない

(…それもそうか…

私…卒業の時に引っ越したんだもんね…)


有菜はふと
隣にいた男子を見た。


有菜の隣には

ワイワイガヤガヤとはしゃぐ男子達の集団から離れた

物静かそうな男の子が
配られたプリントを一心不乱に眺めていた…


(なんか不気味やなぁ…でも、最初の友達にしてはいいカモ…かっこいいし…)

「あのぉ〜初めまして。中沢有菜です。よろしく」

自己紹介をすると…

「水無月ツバサです…」

ボソッ…と彼は自己紹介をした。

「どうして皆と話さへんの?友達おるやろ?」

「俺、騒ぐの好きちゃうから。団体行動苦手やし…」

(無愛想な奴や…)

「なぁ…友達になれへん?」

「何で?友達おっても色々めんどくさいやん」

「…ま、とにかく…今日から友達ってことで!!」

(ウチ、コイツ嫌いや…)

「勝手になれば?」


(うわぁ…めっちゃムカつく!!)

有菜とツバサは無理やり友達になった。

しばらくして…

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