好きって言ってよ
「俺、いつまでも妃頼や、妃頼のお母さんに迷惑かけらんないしね。」
そう笑った詠夢は寂しそうだった。

すっごく、
寂しそう・・・


あたしだって寂しいよ。


「詠夢くん、全然迷惑じゃないわよ??」
お母さんもそう言ったけど、
「もう合格しちゃったんでいいですよ。」
そう言った。



県外の高校は詠夢のお婆ちゃん家の近くで、
卒業したらすぐにそっちに荷物を運んで、詠夢も行くみたい。



だから、

もうなかなか会えなくなる・・・。



だけど・・・

「ひーより??ぼーっとしてどした??」

「あのさ、あたし達、付き合ってるの??」

そう、
あたし達、
手繋いだことも、
キスしたことも・・・ない。



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