王様は誰だ
「る、ルイっ」

優子が私の服の袖を引っ張り、橘と龍夜から少し離れたところに呼んだ。


「ん?なに?」

「これはデートなんじゃ…」

「ああ、デートか」

「そうだよっデートのお誘いだよっ」

「デートのお誘い?」

「那央くんがルイへの“デートのお誘い”」


「私に!?
デートのお誘い!?……まさか。ただの服選びだよ
ナイナイ。…ナイな、うん」

「あるよっ」

「ナイナイ」

なんで橘が私をデートに誘う必要があるんだ。
全く、優子は変な事を言い出すんだからな

「優子は天然だなぁ」

「……ルイは自分に鈍感だよぉ」

「筋金入りの馬鹿に鈍感だな」

「なんだよ、龍夜」

「あ?馬鹿は黙っとけ」

「なんだとお前っ!」


「どうしたの?ルイさん達」

「ん?なんでもないよっ
ほら、優子も龍夜も早く歩いて。遅刻するぞ」

「指図すんなよ鈍感馬鹿」

「…いちいちムカつくなお前」

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