◆◇姫と王子の運命の恋◇◆
【紗麻香side】




今日、初めて仲嶋ちひろと話した。



・・・近くで見ると、やっぱ美人。



今まで、中学校まで“可愛い”だとか“美人”だとか“綺麗”だとか。



1番そう言われてきたのはあたしだった。



それなのに、高校に入った途端、あの女が1番になったんだ。



許せない。1番綺麗なのは、あたしよ。あたしだけでいい。



高校に入ったその日に、そう思ったんだ。



しかも最近のこと、あの女とこの街1の美少年の翔斗くんが付き合った。



翔斗くんのこと、狙ってたのに。



あたしみたいな美人と付き合うのは、翔斗くんくらいイケメンじゃないと釣り合わない。



だから、初めて会ったときからずっと狙ってた。



大抵の男は、彼女がいてもあたしみたいな美人が話しかければすぐ手に入った。



翔斗くんも・・・きっとそう。



・・・だと、思ってたのに・・・。



高校違うからってあたしがわざわざ翔斗くんのこと待ってていつも話しかけてたのに。



“あたし、町河紗麻香っていうの!よろしくね!”



“あー、よろしく”



せっかくあたしが自己紹介してんのに、あっちはよろしくしか言わない。



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