ヘタメガ!
とにかく、なんとなく噂は当てにならないと悟る。
崇城先輩の言葉が真実なら、噂に尾ひれが付き、背びれが付き、あの天然ボケが極悪色魔呼ばわりされている事になる。
まあ来るもの拒まずの精神は非難するが、やっぱりちょっと可哀想な人なのかもしれない。
翌日、相変わらず女子に囲まれてバラを背負っているアホに遭遇する。
「純一く~んvチョコ食べる?」
「わざわざ持ってきてくれたの?ありがとう。」
あーあ。甘いの苦手なくせに。
「純一く~んv今度映画見に行こうよ~vこれ!最新のホラー!ユイ怖いけど頑張る~っ!」
引きつった笑顔で「ああ。」と答える。
あ、ホラー苦手なんだ。
「純一く~んv今日はサヤカとお昼食べるんだよね?ね?」
「え!ずるーい!私も!」
「え~!ユイも~!」
「ハハッ…」
やっぱりなんだか可哀想だった。昨日みたフニャンとした本当の笑顔はそこにはない。
カッコ良く、薄っぺらい笑顔の裏で彼はいったい何か楽しいと感じる事はあるのだろうか。
それに、聞きそびれたが、なんだってあんなところに縛られていたのだろうか。
まあだいたい想像はつくけど。
バチっ!
!
ヤバい!目が合ってしまった。