ヘタメガ!
「どういうつもりですか先輩。」
「ぷはーっ!怖かったー!」
純一はむき出しのコンクリートの上をぴょんぴょん跳ねながら自分の体を抱いて震えている。
普段は立ち入り禁止の屋上だ。鍵は昔、女の先輩に頂いたらしい。決まった日時に来て欲しいと言われ、渡されたが、すっかり忘れて他の女の子に囲まれて帰ったという…。
あながち噂は外れてないのかも知れない…。
「なんのご用ですか。」
「だって美姫ちゃん朝逃げちゃったじゃん。」
「こちらには用がありませんから。」
「えーだってだって、友達に無視されたら寂しいじゃんかぁ。」
いつ、どこで、どんなふうにあなたと私が友人になったのか教えていただきたいと、美姫は強く思った。
「友達って…私は後輩ですよ?他にもいっぱい友達いらっしゃるでしょう?」
「……。…もういないんだ。」
え?昨日は色々友達からアドバイスを貰ったとしゃべっていたのに?
「アドバイスしてくれた友達の彼女がことごとく何故か俺に告白してきて、俺はいつの間にか独りになってたんだ。」
「うっわー…それはまた…昼ドラのようですね。」
「さすがに断ったんだけど、めったに振らないから、逆に向こうがキレちゃって、友達に「迫られた」とか嘘付かれちゃって。もう修復効かないんだ~。」
う~ん。なかなか、可哀想な人だ。