ヘタメガ!


「俺…情けなかったんだ。」


…先輩。

美姫はもう一度だけ後悔した。この優しい人をめいいっぱい傷付けてしまった。

「俺も、俺も知ってたんだ。知って見て見ぬ振りをしてたんだ。俺が色んな事から逃げてるってことに。」

先輩の悲痛な顔を見ると、胸が痛いぐらい締め付けられた。


「その…美姫ちゃんに言われて、俺なりにけじめをつけようと…。なんかめちゃくちゃになっちゃったけど。友達とも、仲直りしようと思う。何回でも、弁解しようと思う。昔好きでもないのに付き合った子達、一人一人に謝りに行こうと思う。」

「…先輩。」


「でも!」


崇城先輩は急に険しい顔になり、美姫を睨んだ。

…初めて先輩に睨まれた。


「いくら美姫ちゃんでも、俺の気持ちを勝手に決めつけられるのは嫌だ!あのあと、何回も考えたけど、どう考えても、俺は美姫ちゃんが好きだ!」


「えっ?!ちょっ!っ…先輩っ!っ///」



大声で叫ぶ純一に急に周りが気になり、当たりを見回す。幸い屋上なので人はいないが、まさか青空の下で愛を叫ばれるとは思っても見なかった。


「好きだ!好きなんだ!美姫ちゃんが!依存しているとこもあるかもしれないけど、そんなものだけじゃない!」


「っ…っ!」


顔を真っ赤にして、美姫は頬に手を当てた。



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