ヘタメガ!
自分の緩んだ頬の筋肉にハッとして、美姫はキッと表情を引き締める。
ダメダメ、騙されてはダメよ。これも顔とのギャップを計った、計算尽くされた女を落とす手の一つに違いない。
「それより、いいんですか?こんなところに私なんかといて。彼女さんとか(愛人さんとか)が怒るんじゃないですか?」
きょとんとした顔で純一は巨大パフェを頬張る少女をみつめた。
「今は付き合ってる子いないよ?」
「へー。」
今は。この男が言うと何故イヤミに聞こえるのだろう。
「今はいねーけど、作ろうと思えば鼻かんでる間に5・6人つくれちまうゼ☆」とでもいいたいのだろうか。
美姫はイヤミとただの好奇心で色々と質問をぶつけてみた。
「前の彼女さんはいつまで?」
「最後に付き合ったのは1ヶ月前かな?」
「今まで何人とお付き合いされたんですか?」
「…それってどこからどこまでの?」
「え?」
「告白されて、半日で振られたのは入れる?後、嘘で告白されて、からかわれてたのが2週間後に分かったのも入れる?あと…」
「あ、いや、…なんかもういいです。」
「ん?」
パフェをもう一口食べながら、続けて訪ねた。
「…先輩もしかして、自分から告白されたこと、ないんですか?」
「んー、ないかも。」
情けなさそうに頭を掻きながら、純一は続けた。