不良BOY
「大丈夫じゃねえじゃん!どっからどう見ても!待ってろ。俺が手当てしてやる。」
横山くんはそう言いどこかから救急箱を持ってきた。
「これマジで何があったわけ??」
横山くんは私の手足の傷を不思議そうに見る。
「…ちょっと派手に転んじゃってさ…」
「派手に転んだからってそんなに傷ができる奴普通いる??」
あっさり見抜かれた。
「ここにいるよ。」
私は人差し指を自分に向ける。
「俺は真剣なんだからふざけるなよー」
「ご、ごめん……」
「よし!じゃあ今から手当てするぞ!!」
横山くんはやる気満々のようだ。
腕までまくり始めた。
なのに、横山くんの動きが止まった。
「横山くんどうしたの?」
「…俺、手当てとかしたことない…。」
「え、そうなの?」
「ああ。」
横山くんは暗い声で言うと、腕をまくり戻した。
「手当てはやっぱなし!」
そして大きな声で言い放つ。
「え?」
「そのかわりー、俺の言葉で痛いのなくしてやる。」