不良BOY



「ほらよ。」



そして水の入ったメスシリンダーを乱暴に私に突き出してきた。



「どーも!」



私が睨み付けながら受け取ろうとした時。



「ぎゃっ!」



パリン!!



手が滑ってメスシリンダーを落としてしまった。



メスシリンダーは響きのある音をたて割れた。



「何してんだよ!」



神谷は割れてしまったメスシリンダーを見て怒鳴った。



「仕方ないでしょ?!手が滑っちゃったの!!」



あーあ。



めんどくさいことになっちゃった。



「俺が片付けるからどけ!!」



「は??」



思わず聞き返す私。



「だーかーら!俺が割れたメスシリンダー片付けるから!!ガラスだからお前が片付けるのは危ねえだろ?!お前は実験進めとけ!!」



そして神谷は、ほうきとちりとりを取りにどこかへ去っていった。



「何よ。かっこつけちゃって。」



1人でぼやいたけど、頭の隅で少しかっこいいかもと思った自分がいた。



何考えてんの私!!



私は、その気持ちをまぎらわすためのように実験を速やかに始めた。



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