不良BOY



―下校時間―



「じゃあな!」



「うん!また明日!!」



いつもの別れ道で横山くんに手を振った。



「ぎゃっ!!」



そして家に帰ろうとしたとき突然目の前に誰かが現われた。



ついまぬけな声が出てしまう。



「なんであんたが??」



驚きながらも聞くと、



「なんでって…ちょっと言いたいことがあって!」



少し真剣そうな表情をする神谷夏樹。



「何?話って…」



私は辺りをキョロキョロ見ながら尋ねる。



だって横山くんに見られてたらやばいじゃん??



たぶん大丈夫だよね…。



もう横山くん見えないし…


「あのさ…前はごめんな!」


急に頭を下げられ私は焦ってしまった。



「何のこと??」



「だから…優奈なんか勝手にしろとか言っちまって…本当ごめんな」



え?



いやいや



私的には「やっと私のこと諦めてくれたんだーよかったー」って感じだったんですけど??



それにはっきり言ってそんなこと忘れてたし??



「傷ついたよな。」



「え。いや別に…」



むしろ嬉しかったんだって!!



「俺あんなこと言っちゃったけど…やっぱり優奈のこと好きみたいなんだ…あの時はついカッとなっちゃって…マジごめん。」



真剣そうな神谷。



「きもいから!!」



「優奈はさ、横山と付き合ってんだろ??」



そう尋ねられて自分の顔が一気に赤くなっていくのが分かった。



「そ、そうよ。」



腕を組んで答えた。



「でも俺、あきらめねえから。」



「は??」



「優奈のこと、あきらめねえから。」



そうして神谷はどこかへ去っていった。



ちょっとー!



困るんですけど!



諦めないとか言われても…!



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