不良BOY
―1時間目―
国語の時間。
私は先生の話をボーッと聞いていた。
「優奈。これ。」
その時、神谷に小さな声でそう言われ2つに折りたたまれた紙を渡された。
「?」
私は、横山くんに見られていないか確認しながら、紙を受け取りこっそり開けた。
「優奈へ。
気になったんだけどさ、頬のアザどうしたんだよ??朝、聞こうと思ったらお前無視するし、手も振り払われちゃったし…。何かあったらすぐ俺に言えよ?俺のこと頼りにしていいからな。 by夏樹 」
涙が溢れそうになった。
嫌いな奴からもらった手紙読んで、泣きそうになるっておかしいけどさ。
頬のアザ気付いてくれてたんだ。
だから朝、心配して話し掛けてくれたんだね。
なのに、私無視して手まで振り払っちゃって…。
…って別にいいじゃん!!
神谷なんだからそういう態度とったって!!
紙を持つ手が震える。
神谷の方を見ると、バッチリ目があった。
神谷は優しく微笑んだ。
その顔に、ちょっぴりドキドキした。
顔が赤いことがばれたくなくてすぐ目を逸らし、紙を制服のポケットに閉まった。