不良BOY
「…奈…優奈…!」
微かに誰かの声がする。
「優奈!!」
はっきりと聞こえてきた声で私は目を覚ました。
あ、私知らぬ間に寝てたんだ。
「優奈!やっと起きたわね。」
そう言うお母さん。
…の隣にいる人物に私は悲鳴をあげそうになった。
「この子が優奈のこと心配してわざわざお見舞い来てくれたのっ!じゃあ2人でゆっくりしといてね!」
お母さんはドアノブに手を掛ける。
「お、お母さん…!」
「何?優奈。」
「…な…なんでもない…。」
「何よ。変なの。」
待って!!
お母さん!!
行かないで!!
そんな思いは全く届くことなく、お母さんは部屋を後にした。