不良BOY
その時だった。
「ジュース持ってきたわよ〜。」
お母さんがお盆にオレンジジュースを乗せ、部屋に入ってきた。
途端に横山くんは私の腕を掴んでいた手を離した。
「どーも!ありがとうございまーす!」
そして、満面の笑顔でジュースを受け取る姿を私は黙って見ていた。
ど…どんだけ態度変わってんのよ!!
「そういえばキミ、名前何?」
お母さんは横山くんに名前を尋ねている。
「横山春斗です!」
横山くんは元気よく答える。
「へえー。かっこいい名前ね!」
「そんなことないですよー。」
「あ、優奈もジュース。」
2人の会話を黙って聞いていた私にお母さんがジュースを渡してきた。
「あ、ありがと…。」
「じゃっ、ごゆっくり!」
お母さんが出ていこうとしたとき、私はある行動に出た。