不良BOY
優しさ
「あの……その……ありがと……。」
私はスカートの裾をぎゅっと手で握りながら言う。
「は?」
神谷は私を見つめる。
「…その…助けてくれて…」
神谷が助けてくれなかったら今頃、私……
優花と横山くんに……
そう考えるだけで怖い。
だから、神谷には感謝しないと……ね。
私は自分の顔が赤くなっていくのを感じながら神谷に礼を言った。
「んなこと、どうってことねぇって。…てか優奈にしては素直じゃん。」
神谷は私の髪をくしゃくしゃにする。
ドキッ
………?!
何こんな奴にドキドキしてんの私!!
ありえないしっっっ!!
「触んないで。」
私は神谷の手を払い、髪を整える。
「顔赤くなってたくせに。」
「はあ?」
ばれてたの!?
「まあ、んなことより横山と何があったんだ?」
「へ?」
唐突に聞かれてまぬけな声を出す私。