不良BOY
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「少しは落ち着いた?」
あれから何分か経って私の涙はやっと止まり始めてきた。
その様子を見て神谷は私に優しい笑顔を向ける。
「……う……うん……」
私は涙を拭い、答える。
その時、神谷が私を離した。
「や…やだっ…」
自分でもびっくりした。
神谷に
もっと
抱き締めてもらいたい
なんて思っちゃうなんて。
「ん?」
神谷は不思議そうに聞き返す。
「…離れちゃ……やだ…」
私、何言ってんだろ…。
神谷なんかに甘えるなんて…。
「仕方ねえなあー。」
神谷の嬉しそうな声と同時に、私は再び神谷に包み込まれた。