不良BOY
私は磁石みたいに神谷の後をついていった。
「ぎゃああ〜〜!!!」
今度は壁から白い手が伸びてきた。
あまりにも怖くて神谷に飛び付いてた。
「こんなのがこえーのか?」
神谷は壁からでてきた手を見て笑っている。
「だ、だって…だって…」
お化け屋敷苦手なんて言えない。
「てか春山から抱きついてくるなんて〜♪春山意外と大胆だな♪」
神谷はニヤニヤ笑い、嬉しそうだった。
「は?え…あ…!」
何やってんの私!!
私はすぐ夏樹から離れた。
神谷に抱きつくなんて…
私のバカ…。
自分から菌に抱きついちゃったあー…!!
「ずっと抱きついてくれててもよかったのに〜♪てかなんだよ!結局お化け屋敷苦手なんじゃん!」
はいそうですよ。
苦手ですよ。
ばれたくなかったのに。
「お化け屋敷苦手じゃ悪い?」
もう認めちゃうしかない。
「全然〜☆いつもクールな春山の意外な一面って感じでいい!!春山超可愛いわあ☆もっと好きになっちまったじゃ〜ん」
「…何それ。きもいんですけど。」
本当は
ちょっぴりだけ
ほんのちょっぴりだけ
嬉しかった…。
だって「可愛い」なんて言われたの初めてだったんだもん。