不良BOY



私は磁石みたいに神谷の後をついていった。



「ぎゃああ〜〜!!!」



今度は壁から白い手が伸びてきた。



あまりにも怖くて神谷に飛び付いてた。



「こんなのがこえーのか?」


神谷は壁からでてきた手を見て笑っている。



「だ、だって…だって…」



お化け屋敷苦手なんて言えない。



「てか春山から抱きついてくるなんて〜♪春山意外と大胆だな♪」



神谷はニヤニヤ笑い、嬉しそうだった。



「は?え…あ…!」



何やってんの私!!



私はすぐ夏樹から離れた。


神谷に抱きつくなんて…



私のバカ…。



自分から菌に抱きついちゃったあー…!!



「ずっと抱きついてくれててもよかったのに〜♪てかなんだよ!結局お化け屋敷苦手なんじゃん!」



はいそうですよ。



苦手ですよ。



ばれたくなかったのに。



「お化け屋敷苦手じゃ悪い?」



もう認めちゃうしかない。



「全然〜☆いつもクールな春山の意外な一面って感じでいい!!春山超可愛いわあ☆もっと好きになっちまったじゃ〜ん」



「…何それ。きもいんですけど。」



本当は



ちょっぴりだけ



ほんのちょっぴりだけ



嬉しかった…。



だって「可愛い」なんて言われたの初めてだったんだもん。



< 29 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop