不良BOY
でもどうせいつか日直やらなきゃいけないんだから
早めに済ませて置いた方が楽だけどさー…。
よりによって今日かよ。
「なあ、春山。なんで俺のこと無視してんの?メールも返事くれないし電話もでないしさ。」
放課後、掃除用具入れからほうきを取出しながら神谷が尋ねる。
私は黙々と黒板の文字を消す。
今日1日、うざいくらいに神谷に何度も何度も声掛けられた。
まあ全部無視したわけだけど。
「おい聞いてんの?」
神谷が私に近づいてくる。
来るな来るな来るな。
ついに神谷は私の隣までやってきた。
けど私は気付かないフリをして黒板を消す。
「なあなあ。」
今度は神谷が私の肩を掴んでくる。
…………。
「触んないで。」
私は低い声で呟いた。
「なんで?」
神谷はしつこく話し掛けてくる。
もう無視しよ。
神谷の手を振りはらい、黒板消しの仕事に取り掛かる。
少しの間沈黙が続いた。
私と神谷2人っきりの教室は静けさに包まれた。
何秒沈黙が続いただろうか。
「まさかお前…怒ってる?」
神谷が口を開いた。