恋愛感情
私は思いっきり叫んだ。
当然周りはみんな驚いた。

「は?なにこいつ。何いきなり?」
嫌々。
聞きたくない。

「まぢ意味不。ラりってね?」
やめて・・・

その時、拓が走ってきた。
唯一私が叫ぶ理由を知っている。

「ナナ!どうした!!」
「あっれー。拓じゃぁン」
「…真美…」
拓は驚いて立ち尽くしていた。
きっといじめた張本人が本人に話しかけることはない。
そう思っていたのだろう。

私だってぶつかるまでそう思っていたから。

「聞いてよ拓。真美ね…。最近ナナ休んでたじゃん?だから心配で声かけたんだよね」
そう言いながら真美は眼をうるませていた。

「そしたら…奈々が…いきなりね…ウチに怒鳴っ」
「うるせーよ。」
「え?」
真美の言葉は途中で遮られた。

「あのさ。もう二度と俺とナナに近寄んないで?」
「はぁ?」
「あと…しゃべったら殺す。」
拓は今までに見たことのないような顔で…
今まで聞いたことのないような低い声で…
真美に向かってそう言い放った。

真美は今までに見たことのない拓に驚きの表情を隠せていなかった。
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