不良ちっくLover
放課後になると、リュウ君はのそっとグループを抜けると、まっすぐ私の席まで歩いて来て、「帰るぞ」と一言発するだけだった。
「うん」
私も急いで立って彼を追う。
「………」
一緒に帰るものの、あまり会話はない。
毎日のヤジだって聞こえているはずなのに、何で心配もしてくれないんだろう。
「大丈夫か?」て聞いてくれるだけで、頑張れるのに。
相変わらず無口な彼は必要な事以外話さず、私を家まで送り届けるだけだった。
「ねぇ。リュウ君。私の事好き?」
不安に押し潰されそうになって、勇気を出して聞いた言葉だったのに、彼の瞳が密かに揺れただけで何も言ってくれなかった。
「もういいよ!! 私はリュウ君が分からない!!」
私は何か言いたそうなリュウ君を残して家の中に逃げ込んだ。
やっぱり私たちは合わないのかな?
止めどなく出てくる涙を私は枕に押し付けた。